滋賀県の琵琶湖西岸を通るJR湖西線が20日で開業40周年を迎える。関西−北陸間の輸送力強化や沿線の活性化を目的に敷設され、滋賀から京都や大阪への通勤利用も多い。20日には記念行事が高島市のJR近江今津駅などで開かれる。
湖西線は旧国鉄時代の1974年に山科−近江塩津間で開通した。地元では私鉄の江若鉄道が69年に廃止となっていたため、「地域の足として大変喜ばれた」(JR西日本近畿統括本部)。75年から大阪と北陸を結ぶ特急が走っている。
2006年に直流電化工事が終わり、大阪方面からの新快速電車が敦賀まで運行するようになった。「敦賀から京都、大阪まで通勤したり、大阪から日本海側へ観光に利用したりする人が増えた」(同)という。沿線の活性化にも貢献した。大津市内の駅では住宅地やマンション建設に伴い乗降客が増加。おごと温泉駅の1日平均乗降客数は12年に約1万6千人で、20年前の約2・2倍に伸びた。
比良山からの強風で、徐行や運転見合わせも多い。12年までに比良―北小松間で防風柵を設置し、運行の支障は大幅に減った。
20日には記念列車運行(募集終了)や式典を高島市などで予定している。JR西近畿統括本部は「沿線の観光資源を掘り起こし、外国人観光客などさらに多くの人に乗ってもらえるよう努力する」としている。 |