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野鍛冶工房復興へ 滋賀・高島、市民ら資金集め
2016年1月21日
 滋賀県高島市新旭町熊野本に戦前からあり、取り壊す予定だった野鍛冶工房を市民レベルでの復興を目指す「びわ湖高島・野鍛冶復興プロジェクト」が動きだした。記録保存のためクラウドファンディングを通じて資金を募ることを21日、関係者が発表した。

 童謡「村の鍛冶屋」にも歌われる野鍛冶は、鍬や鋤(くわ)などの農具、身近な鉄製品を製造・修理し、昭和30年代まで盛んだったが、農機具の機械化で衰えた。

 野鍛冶工房は木造平屋。建築年代は不明だが、鍛冶は明治初めから行っているという。所有者小島正さん(66)の父親が1992年ごろまで作業したが、その後放置されていた。

 取り壊しへ向け、小島さんが琵琶湖博物館の元学芸員で民具を担当していた小野容子さん(46)に連絡。亀岡市の野鍛冶師堀田典男さんを交え、昨年11月に見学会を行い復活の機運が盛り上がり、即時の取り壊しは中止になった。

 火床(ほど)や鞴(ふいご)など作業場や道具がそのままの状態で残り、土壁の煙突が珍しいという。小野さんによると作業が可能な野鍛冶工房は長浜市鍛冶屋町に残る以外、全国的に例がないという。

 プロジェクトは1年間、堀田さんを中心に設備を応急的に修繕し農具製造を再現し、映像などで記録する。目標金額は62万5千円で募集期間は2月26日まで。支援者は金額に応じ現地活動会や野鍛冶体験などの見返りサービスを購入する。

 小島さんは「鍛冶を受け継がなかったという思いがあり、残せるものなら残したい」と期待する。プロジェクト事務局の岡野史子さん(29)は「活動は1年で終わりではなく、最終的には建物や技術の活用を考えたい」としている。

 支援の申し込みはFAAVO滋賀ウェブサイトhttps://faavo.jp/shigaから。
京都新聞


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