高島市勝野の旧大溝藩城下町に伝わり日吉神社の例大祭となっている大溝祭は本祭の4日、5基の曳山(ひきやま)が初めて、助っ人28人の力を借りて宮入り巡行した。大溝祭は県選択無形民俗文化財で再来年に400周年を迎えるが、人口減による引き手不足から祭り保存会が今年、引き手の公募に踏み切った。
保存会によると、応募したのは大津市や京都市などから男女計16人。地元の市立高島中学校にも応援を求め、3年生8人(男子6人、女子2人)と教師4人が手を挙げた。
曳山5基は城内への入り口だった総門前に集結。助っ人はこのうち4基の引き手に加わった。福岡市早良区から来たJA職員、永代美紀(ながよみのり)さん(54)は「父が高島市出身で親類のフェイスブックを見て古里の祭りに参加した」と喜んでいた。
龍谷大法学部3回生の井上優大さん(20)=大阪府枚方市=は「滋賀の活性化を考えよう」と学部の仲間3人で参加。高島中の澤綾花さんと上尾志乃さんは「初めて見る祭りでいい経験ができた」と話していた。
保存会の田中宏会長(64)は「人口が少なくなる中、祭りを盛り上げようと公募した。来年も続けたい」と感謝していた。 |