絶滅危惧種に指定され、鮮やかな羽色が特徴のヤイロチョウが繁殖している姿が、滋賀県高島市内で撮影された。近畿地方で繁殖を確認したのは初めてとみられ、野鳥愛好家らも注目している。
ヤイロチョウは体長約18センチで、東南アジアなどに生息し、夏鳥として日本に飛来、10月ごろに去っていく。国内に渡来する個体数と併せて繁殖の確認例も少ない。
写真を撮影した野鳥愛好家の前田久さん(69)=大津市瀬田4丁目=は「何年も観察を続けているが、初めて営巣してひなを育てているのを見つけた」と話す。13日、ヘビが4匹のひなを狙い巣に近づいたところ、親鳥がひなに巣立ちを促して飛び立たせたという。成長が不十分で、今も親鳥がひなに餌のミミズなどを与えている。
湖北野鳥センター(長浜市湖北町今西)の植田潤さん(48)は「滋賀県には近年飛来するようになった。国内では姿を見るのも難しく、確認例も少ないため繁殖の実態は不明」と説明した。 |