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琵琶湖畔の空き家保養所、観光拠点に 大津市が規制緩和へ
2018年1月3日
 滋賀県大津市の旧志賀町地域で多数の企業保養所が空き家となっている問題で、市は新年度にも観光振興に向けた利活用のため規制緩和する方針を固めた。一帯は都市計画法の市街化調整区域で建物の用途変更ができず、所有者が撤退しても市が対応できない状態にある。2020年の東京五輪も視野に、市は琵琶湖の明媚(めいび)な風景と広い敷地を生かし、民間活力による外国人観光客向け宿泊施設の整備促進を図る考えだ。

 本年度に市が行った調査では、現存する保養所は162軒。うち空き家が36軒、利用実態不明な物件が30軒ある。新たな開発基準では、これらの物件や既に更地となった跡地で、建物の用途変更や建て替えを可能にすることを目指す。

 市は現在所有者アンケートを進めており、結果を反映した保養所の利活用計画を来年度に策定し、新たな開発基準を市の開発審査会に諮る。認められれば民間参入によるホテルや旅館、レストラン・カフェなどへの転用を狙う。市は「隣接の京都市ではホテルの建設ラッシュ。市北部地域は景観や地理的条件も良く、需要はあるはず」と見込む。

 市によると、同地域の保養所は1960〜70年代に建てられた。だが、バブル経済崩壊後、業績悪化や余暇意識の変化で廃止する企業が増え、老朽化する物件も出てきた。防犯上の不安を抱える住民は多く、市は2011年に住宅への転用を認める開発基準を設けたが、多くは敷地面積が広く効果は限定的だった。

 一方、好調な訪日観光を受け、大津でも外国人観光客が増加。市内宿泊客は16年に約20万6千人と4年で4・4倍になり、市も欧州・東アジア向け観光誘客の強化を打ち出した。

 欧州の観光客は環境の良い郊外を拠点に周辺を旅行する傾向があり、市は長年の懸案だった企業保養所に着目。昨年8月に庁内横断的なプロジェクトチームを作り、検討を進めてきた。

 越直美市長は「保養所地域の再生は市民からの要望も多く、市の観光振興の目玉にしたい。琵琶湖や豊かな自然がある地域へ世界中から人を呼び込みたい」としている。
京都新聞


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